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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
history archeology

ハンニバルが用いた「戦闘ゾウ」の初の化石証拠を発見か

2026.02.16 17:00:13 Monday

古代史の教科書に必ず登場する、ある有名な場面があります。

紀元前218年、カルタゴの将軍ハンニバルが「戦象(せんぞう)」を率いてアルプス山脈を越え、ローマに迫ったという伝説的な進軍です。

しかしこれまで、その壮大な物語を裏付けるのは主に古代の文献や後世の絵画だけでした。

本当にヨーロッパの大地で「戦闘ゾウ」が使われた証拠はあるのか。

その問いに対し、スペイン・コルドバ大学(UCO)の研究チームが、ついに初めての「戦象の骨」という物理的証拠を見つけた可能性が報告されました。

研究の詳細は2026年1月14日付で学術誌『Journal of Archaeological Science: Reports』に掲載されています。

First Solid Evidence of Hannibal’s Infamous War Elephants Discovered in Spain https://www.sciencealert.com/first-solid-evidence-of-hannibals-infamous-war-elephants-discovered-in-spain
The elephant in the oppidum. Preliminary analysis of a carpal bone from a Punic context at the archaeological site of Colina de los Quemados (Córdoba, Spain) https://doi.org/10.1016/j.jasrep.2026.105577

伝説の軍事作戦「戦象を率いたアルプス越え」

紀元前219年から紀元前201年にかけて戦われた「第二次ポエニ戦争」は、地中海の覇権をめぐるローマ共和国とカルタゴの激突でした。

当時、ローマは強力な海軍を保有しており、正面から海上侵攻するのは極めて不利でした。

そこでハンニバルが選んだのが、陸路での奇襲です。

彼は北アフリカのカルタゴを出発し、イベリア半島を横断して、さらにアルプス山脈を越えてイタリア半島に侵入しました。

この遠征軍には約37頭の戦象が含まれていたと古代史料は伝えています。

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アルプス山脈を越えるハンニバルの軍/ Credit: ja.wikipedia

ゾウは単なる大型動物ではなく、古代における「移動式兵器」とも言える存在でした。

巨体と牙は敵歩兵や騎兵に恐怖を与え、戦列を崩す心理的・戦術的効果が期待されていました。

とはいえ、アルプス越えは極めて過酷な行軍でした。

険しい山道、寒冷な気候、補給の不足。

多くの兵士や動物が命を落とし、戦象の大半もこの行軍やその後の戦闘で失われたとされています。

このアルプス越えは、軍事史上もっとも大胆な作戦の一つと評価されています。

しかし、その壮大な物語とは裏腹に、実際にヨーロッパの地で戦象が使われたことを示す骨格証拠は、これまで発見されていませんでした。

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