アリを操るゾンビ菌に、さらに寄生する細菌
「ゾンビ菌」と呼ばれる菌類の代表例は「オフィオコルディセプス属(Ophiocordyceps)」の一部です。
この菌はアリなどの昆虫に感染し、宿主の行動を操作し、自在に変化させます。
感染したアリは通常の行動を離れ、菌にとって胞子を広げやすい場所へ移動し、葉や枝に噛みついたまま死んでいきます。
その後、菌はアリの体から柄のような構造を伸ばし、胞子をまき散らします。
まるでアリが菌に操られているように見えるため、「ゾンビ菌」と呼ばれているのです。

ただし、これは映画のように脳を完全に乗っ取るという意味ではありません。
近年の研究では、菌は神経系や筋肉、生理状態に影響し、宿主の行動を変えている可能性が高いと考えられています。
今回見つかった新種細菌(プレウロコルディセプス・コルヌシンネマタ」は、このゾンビ菌そのものではありません。
この新種は、すでにゾンビ菌に感染しているアリの体内で、増殖中のゾンビ菌の組織に入り込み、それを栄養源として利用すると考えられています。
つまり、関係を整理すると、まずアリがゾンビ菌に寄生され、そのゾンビ菌がさらに新種細菌に寄生されるという二重構造です。
これを踏まえて、チームはこの菌を「重複寄生菌(=寄生者に寄生する菌)」と呼ぶ理由はここにあります。

















































