眠りながら何度も泡を吐いていた
マッコウクジラは、頭を上にした垂直姿勢でほとんど泳がずに休みます。
しかし、ここには大きな謎がありました。
マッコウクジラの肺には空気が入っています。
空気が入った浮き輪が水に浮くように、肺の中の空気もクジラの体を海面へ押し上げます。
それなのに、マッコウクジラはどうやって垂直姿勢を保つことができるのでしょうか?
そこで研究チームは、ノルウェーの海にいる42頭のオスのマッコウクジラに、小さな記録装置を取り付けました。
この装置は吸盤で体に付けられ、クジラがどのくらいの深さにいるのか、どちらを向いているのか、どんな音を出したのかを記録します。
その結果、17頭から合計61回の休息が記録されました。
そして、そのうち56回(約92%)で、クジラが泡を吐く音が聞こえました。
つまり、ほとんどの休息中に泡を吐いていたのです。
1回の休息では、平均して約8回の泡が確認されました。
とくに海面に近い場所で休んでいるクジラは、深い場所から浮かびながら休んでいるクジラよりも、たくさん泡を吐いていました。
これは、海面に近いほど肺の空気がふくらみやすいからだと考えられます。
深い海では水の力が強く、肺の空気は小さく押しつぶされています。
しかし、海面へ近づくと、水の力が弱くなり、肺の空気がふくらみます。
すると浮く力も強くなり、クジラはさらに海面へ押し上げられてしまいます。
では、これらの観察結果は何を意味するのでしょうか?






























