なぜ大人は笑わなくなるのか? 大人にも笑いが必要な理由とは?
子どもの頃は、どんな小さなことでも面白がって、自然にケラケラ笑っていたかもしれません。
しかし大人になると、どうしても笑いが減ってしまいます。
この背景にはいくつかの理由が隠れています。
たとえば、私たちが「成熟している」「真面目だ」と見られることが重要だと感じてしまい、
つい“笑い”や“遊び心”を後回しにしてしまうことがあります。
責任や忙しさに追われるなかで、自然と笑う機会が減ってしまうことも少なくありません。
また、「何を面白いと感じるか」は人それぞれ異なります。
ある心理学の研究によると、「ユーモア(humor)そのもの」と「個人のユーモアのセンス(sense of humor)」を区別しています。
前者は出来事や物事自体の面白さを指し、後者はそれをどれだけ楽しめるか、という個人の資質です。
だからこそ、同じ「ユーモアのセンス」を持つ人が近くにいるかどうかで、笑う頻度は大きく変化します。
自分と「同じ笑いのツボ」をもっていて、笑いを共有できる人と出会うのは、実はとても幸運なことなのです。
周囲との関係や場の雰囲気にも大きく影響されるため、大人になるほど、笑いが「つい後回し」になってしまうのは自然なことかもしれません。
ですが、だからといって“笑うことの重要性”が小さくなるわけではありません。
笑いの効能についても、多くの科学的な研究がなされています。
例えば、笑いはエンドルフィンやドーパミンなどの脳内物質を分泌し、ストレスを軽減したり、筋肉の緊張をほぐしたり、自律神経を整えたりする効果があります。
さらに、Dunbar ら(2021)の研究では、「人と一緒に笑うこと」で社会的な絆が強くなり、孤独感やストレスへの耐性が高まることが示されました。
つまり、笑いは私たちが健やかに生きていくための“心のビタミン”でもあるのです。
では、大人になった私たちの人生に、どうやって笑いを増やすことができるでしょうか。