AI広告の成功と失敗を分ける要因がみえてきた
AI広告の成功と失敗を分ける要因がみえてきた / Credit:Canva
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AI広告の成功と失敗を分ける要因がみえてきた

2026.09.04 19:00:40 Friday

アメリカのミシシッピ大学(University of Mississippi)で行われた研究によって、AIで作成した動画広告が視聴者に受け入れられるかどうかの要因が、AIを使用した理由や動機、背景などに結びついていることが見えてきました。

AIを使った理由が広告の中身と噛み合っていれば、視聴者はAIを使ったと告げられても評価を落としにくくなっていたのです。

この成果は、AIを活用して広告動画などを作成しようとする企業にとって非常に重要になると考えられます。

研究内容の詳細は2026年7月29日に学術誌『Journal of Interactive Advertising』にて発表されました。

Why some AI ads fail while others succeed https://phys.org/news/2026-08-ai-ads-succeed.html
Overcoming the Uncanny Valley Effect in AI-Generated Emotional Ads: Matching AI to Ad Themes https://doi.org/10.1080/15252019.2026.2701061

「AIで作りました」の一文で、評価が2段階も落ちていた

「AIで作りました」の一文で、評価が2段階も落ちていた
「AIで作りました」の一文で、評価が2段階も落ちていた / Credit:Canva

AIで作った動画には、人物の指が余計に生えていたり、犬の走り方がどこかぬるりとしていたりする瞬間があります。

「これはAIだな」と気づいた途端、それまで見ていた気持ちがすっと冷めます。

では、粗を見つけるより先に「AIで作りました」と告げられたら、どうなるのでしょうか。

研究チームがこの問いの背景として挙げたのが、コカ・コーラをめぐる正反対の反応です。

同社がクリスマスCMをAIで作り直した版は、「魂がない」「本物らしくない」と広く批判されました。

ところが、ファン自身がAIで自分だけの作品を作れるようにした同社の企画は、好意的に受け止められました。

同じ会社が、同じAIという道具を使ったのに、反応はまるで逆になったわけです。

人々は単純にAIを拒否しているだけなのか、それとも許容する場合があるのか、だとしたら、どんな場合なのでしょうか?

その謎を確かめるべく研究者たちはまず「AIで作った」と知らせること自体の影響を調べました。

最初の実験で研究チームは、架空の団体が犬の里親募集を呼びかける短い動画広告をAIで作り、2つの版を用意しました。

これをアメリカ在住の176人に、無作為に半数ずつ見せています。

どちらの版も、映っている犬も流れる音楽も、まったく同じものです。

違いは、片方の冒頭にだけ「この動画は人工知能を使って作られました」という一文が表示される点でした。

広告への好感度は7点満点で、4点が「良い」と「悪い」のちょうど境目にあたります。

結果、広告への好感度は、表示なしの人たちで平均5.60、表示ありの人たちで3.63でした。

犬の映像そのものは何ひとつ変えていないのに、一文の表示だけで、良い側から悪い側へ2点近く滑り落ちたことになります。

さらに表示を見た人は、同じ映像を「不気味だ」と感じやすくなっていました。

そして不気味だと感じた人ほど、広告を見ても心はあまり動かされておらず、心が動かなかった人ほど、広告の評価も低かったという連鎖もみえてきました。

この時点では「AIで作った」という一言は、広告の評価を引き下げる呪文のように見えます。

しかしそれが全てなのでしょうか?

次ページ「亡き愛犬をAIでよみがえらせた」と添えると、不気味さが許された

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