言葉の力が高いADHDの子ほど、衝動性が強めだった
言葉の力が高いADHDの子ほど、衝動性が強めだった / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部
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言語性IQが高いADHDの子ほど、衝動性が強めだった

2026.09.23 14:03:04 Wednesday

物知りでおしゃべり上手な子が、友だちの話の途中で待ちきれずに口をはさんでしまいます。

「頭がいい子なら、ADHD(注意欠如・多動症)の困りごとも軽く済むはず」と思う人は多いかもしれません。

実際、IQ(知能指数)が高いことは、ADHDの症状から子どもを守ってくれるものだと広く考えられてきました。

ところが中国の研究チームが、ADHDと診断された子ども5138人を調べたところ、話はそう単純ではありませんでした。

言葉の力をはかるIQが高い子ほど、集中の困りごとは少ない一方で、思いつきで動いてしまう「衝動性」は強めに出ていたのです。

高い知能は、いつでも味方になってくれるわけではないようです。

研究内容の詳細は2026年7月22日に『Translational Psychiatry』にて発表されました。

High intelligence may exacerbate impulsivity in children with ADHD (PsyPost) https://www.psypost.org/high-intelligence-may-exacerbate-impulsivity-in-children-with-adhd/
The paradox of high IQ in ADHD: dissociable effects on inattention and impulsivity – insights from behavior, cognition & brain in 5138 children https://doi.org/10.1038/s41398-026-04270-5

言葉が得意な子ほど「衝動性」が強め? 5138人を調べて分かったこと

言葉が得意な子ほど「衝動性」が強め? 5138人を調べて分かったこと
言葉が得意な子ほど「衝動性」が強め? 5138人を調べて分かったこと / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

研究を行ったのは、中国の北京大学第六医院で働く精神科医、ルー・リウ氏とチウジン・チエン氏らのチームです。

対象は、6歳から16歳でADHDと診断された子ども5138人です。

ADHDは、集中が続かない「不注意」や、じっとしていられない「多動」、あとのことを考えずに動いてしまう「衝動性」といった特徴が見られる、の発達にかかわる特性です。

子どもたちは決まった形式の知能検査を受け、ADHDの症状は保護者が評価の用紙に答えて点数にしました。

この研究のポイントは、IQを中身ごとに分けて見たことです。

全体のIQは、大きく2つの部分からできています。

1つは「言語性IQ」で、言葉を使って考える力や、知っている言葉の多さ、話を理解する力をはかります。

もう1つは「動作性IQ」で、形や空間をとらえる力、パターンを見つける力、目で見るパズルを解く力など、言葉を使わない力をはかります。

まず全体のIQで見ると、IQが高い子ほどADHDの症状は全体として少なめでした。

ここまでは、多くの人の予想どおりです。

ところが言語性IQに注目すると、高い子ほど不注意は少ない一方で、衝動性の点数は高くなっていました。

研究チームはこれを「もろ刃の剣」のような効果と呼んでいます。

言葉の力は、集中の面では困りごとが少ない側に、衝動の面では多い側に結びついていたわけです。

ただし、この研究は子どもたちの様子を調べて傾向を見る「観察研究」です。

言語性IQが高いから衝動的になる、という原因と結果の関係までは示されていません。

また調べたのはADHDと診断された子どもたちなので、ADHDではない子にそのまま当てはまるとは言えません。

では研究チームは、この関係をどうやって確かめ、どこまで説明できたのでしょうか?

次ページ頭の働きのテストと脳の画像でも、同じ傾向が見えた

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