恐竜のふんの割れ目から、羽根がのぞいていた

今回「初めて」なのは、羽根の化石が見つかったこと自体ではありません。羽根の化石はこれまでにも見つかっています。初めてなのは、恐竜のふんの化石の中から羽根が見つかったことです。とはいえ、羽根の化石そのものも、見つかる数はとても少ないものです。
けれども羽根は、恐竜のなかで空を飛ぶ力がどう生まれたのかを知るための、大事な手がかりです(恐竜の嘔吐物の化石から「新種の翼竜」を発見)。
今の鳥のグループ(現生鳥類)がどのように現れたのかを知るうえでも、羽根は欠かせません。
白亜紀という時代の前半の地層からは、骨といっしょに残った羽根がいくつもの場所で見つかっています。
ところが後半の地層からは、ほとんど見つかっていません。
そして今の鳥のグループが姿を見せたのは、この白亜紀の後半です。
そのため、今の鳥が現れるころに鳥の羽根がどう変わっていったのかは、ほとんど分かっていませんでした。
そこへ出てきたのが、今回の恐竜のふんの化石です。
ふんの化石は、糞石(ふんせき)とも呼ばれます。
この糞石は2016年、モンタナ州のヘルクリーク層という地層で掘り出されました。
掘り出したのは、シカゴのフィールド自然史博物館で古生物を研究するジンマイ・オコナーさんの同僚です。
化石が出たのは、白亜紀の終わりの地層の、いちばん上の部分でした。
つまり、恐竜の時代を終わらせた大量絶滅の少し前のものです。
ふんの持ち主は、獣脚類(じゅうきゃくるい)と呼ばれる恐竜のなかまで、中くらいの大きさのものだったとみられています。
オコナーさんによると、この糞石には表面にたまたま割れ目が入っていて、そこから羽根が1本まるごと見えていたそうです。
この幸運な割れ目がなければ、中に羽根があることに気づかなかったかもしれない、とオコナーさんは話しています。
ふんの中に羽根があったのですから、この恐竜は羽根をもつ生き物を食べたと考えられます。
では、恐竜のふんの中に羽根を残したのは、どんな鳥だったのでしょうか?


























