なぜ今の鳥は生き残り、この鳥は消えたのか?

この羽根には、もう1つ目を引く特徴がありました。
羽根の真ん中の軸は断面が四角く、中が小さな空気の部屋でつまっていたのです。
今の鳥では、このつくりが羽根を軽く保ちながら、飛ぶのに十分な硬さを与えています。
オコナーさんは「恐竜の時代でこれを見るのは初めてです」と話しています。
軽くて硬い今どきの羽根のつくりは、大量絶滅より前に、すでにできあがっていたことになります。
その一方で、マイクロCTで見つかったほかの羽根の中には、今はもう絶えた形のものもありました。
それらは今の鳥の羽根より古いタイプで、ひものように細長い羽根でした。
こうした羽根では、体の熱を保つのが難しかったかもしれません。
今の鳥にかなり近い鳥のなかまでも、この古いタイプの羽根は大量絶滅のときまで残っていた、と研究チームはみています。
ここで、大量絶滅のことを思い出してください。
この大量絶滅は、小惑星の衝突がきっかけで起きたとされています。
衝突のあとには、地球がひどく冷えこむ「衝突の冬」が来たという説があります。
今の鳥の祖先はこの出来事を生きのびましたが、ヘスペロルニス類をふくむほかの多くの鳥は絶えてしまいました。
研究チームは、今の鳥のグループの外にいた仲間がみな消えたことに、羽毛のちがいが関わったかもしれないと考えています。とくに、体の熱を逃がさない役目をもつ体の羽根のちがいです。
オコナーさんも、熱を保ちにくい羽根のせいで、ヘスペロルニス類とその近い親せきが衝突のあとの厳しい寒さを乗りこえられなかったのかもしれない、と話しています。
ただし、これはまだ確かめられていない仮説です。
確かめるには、同じ時代のいろいろな鳥の羽根が、もっとたくさん必要だといいます。
そして前に書いたとおり、羽根の化石はとても珍しいものです。
それでも今回の発見で、ふんが羽根をよく守ってくれる場所になることが分かりました。
オコナーさんは「みんな探し始めるべきです」と呼びかけています。
これからの化石ハンターは、ふんの化石を見つけるたびに、まず割れ目をのぞきこむことになりそうです。


























