偽薬を処方する医師の雰囲気にも影響される
さらに別の研究では、医師の雰囲気でもプラセボ効果の高さに違いが表れました。
この研究では、温かい印象の医師と冷たい印象の医師、また有能そうな医師、無能そうな医師がそれぞれ同じ偽薬を投与しました。
例えばある医師は温かい印象を与えるために、患者の名前を呼んだり、頻繁に目を合わせたりしました。
また別の医師は有能そうな印象を与えるために、手順をミスせず完璧にこなし、整理整頓された部屋で診察しました。
そしてそれぞれ逆の操作を行って、冷たく無能な印象を与えた医師もいます。
実験の結果、温かく有能な印象を持たせた医師が処方したグループは、プラセボ効果が向上すると判明しました。
さて、これらの研究結果を考えると、プラセボ効果の高さは確かに向上させられると分かります。
そしてそのために有効なのは、「より高い効果があると思わせること」だと言えるでしょう。
特に子供は、有能で優しそうな医師に注射してもらうと、より大きなプラセボ効果が見込めます。
もちろん偽薬が本物を越えることはありません。
それでも他に手段がない場合には「効果を高めた偽薬」が役立つこともあるでしょう。