「寄生RNA」は宿主の宿主までコントロールする
今回の研究により、ウイルスに潜む「寄生RNA(Y-sat)」がアブラムシの遺伝子を操作して、自らを拡散するための道具にしていることが示されました。
「寄生RNA(Y-sat)」は直接的な宿主となるウイルスを通して、宿主の宿主となる植物や動物の生命活動を操作することで、自らの拡散を効率化していたのです。
また追加の調査により、「寄生RNA(Y-sat)」によって葉が黄色くなっても光合成速度には大きな影響がないことが示されました。
「寄生RNA(Y-sat)」は植物の生存能力に影響を与えずに、本当に色だけを変えてアブラムシを呼び寄せているようです。
ウイルス・植物・動物の全てを利用する「寄生RNA(Y-sat)」の生存戦略は、非常に洗練されていると言えるでしょう。
しかし意外なことに、現在のところ世界中のキュウリ・モザイク・ウイルスを調べても、今回の「寄生RNA(Y-sat)」が取り付いている見つかりませんでした。
どうやら「寄生RNA(Y-sat)」は日本にのみ存在する珍しい存在のようです。
研究者たちは「寄生RNA(Y-sat)」の仕組みを解明することで、細胞の遺伝子を制御する新たな方法を解明できると述べています。