自由な動きで創造性を上げる
今回の研究によって「自由さ」が創造性を上げることが示されました。
座っているときでも手足や視線を自由に動かせる状態は、画面だけをみつめている状態に比べて高い創造性を発揮できました。
また「自由さ」が創造性を高める仕組みは「自由さ」がいい意味での注意分散を起こすためと研究者たちは考えています。
注意が分散しているとき、脳は単に怠けているのではなく、意識の表面下で情報を統合して創造性を育んでいたのです。
そして散歩などの自由な動きは注意を仕事内容などから引きはがす注意分散を可能にし、創造性を高めていました。
研究者は論文の最後に、リモートワークやオンライン教育の弊害について述べています。
リモートワークやオンライン教育ではPC画面に視線が固定されるため、通常の職場や教室に比べて集中しやすい環境です。
集中すると自由さが低下するため、創造性も損なわれやすくなります。そのため作業内容によっては成果に悪影響が出るかもしれません。
「重要なのは、動きが抑制されたり、規則的なパターンに強制されたりしないことです」と研究者は語ります。
もし企画など創造力を要する仕事に困っているならば、PCや紙面に視点を固定するような「制限された状態」を捨てて、新しい散歩コースを歩いたり、変なダンスを行ったりして、注意を仕事から分散させてみるといいでしょう。