何物にも縛られない自由な動きが創造性をあげると判明!
古代ギリシャの哲学者たちは、思考に行き詰まるとよく散歩に出かけいました。
散歩をしているうちに、ふとある瞬間、問題の解決法や新しい視点を思いつくことがあったからです。
現代の脳科学においても、行先を定めない歩行が創造性(発散的思考)の向上に極めて高い効果を持つと実証されています。
またいくつかの研究では、運動によって体にはさまざまな生理反応が発生し、脳の働きが活発になると示されています。
一方、散歩には運動に加えて行先を決められる「自由さ」という要素があります。
しかしこれまで「自由さ」が創造性にどれほど影響を与えるかは不明なままでした。
そこで今回、ドイツのヴュルツブルク大学(JMU)の研究者たちは「自由に歩く場合」と「長方形のコースを繰り返し歩く場合」そして「自由に座っている場合」と「視線を画面に固定して座っている場合」を比較して創造性(発散的思考)にどのような影響を与えるかを調べました。
結果、自由な歩行のほうが制限された歩行より創造性を増加させる効果が多いことが判明します。
創造性を上げるために散歩やジョギングが重要であることは知られていましたが、決められたコースを巡っているだけでは効果が薄くなってしまうようです。
過去に多くの文豪が旅に出ていたのも「自由さ」と創造性の関係に気付いていたからかもしれません。
一方、大きな筋肉の動きをともなわない座った状態でも、視線や手足を動かせる自由な座りかたのほうが、1点を見つめる制限された座りかたよりも創造性スコアが高くなりました。
この結果は、単純な筋肉への負荷だけでなく動きの「自由さ」によっても創造性が向上することを示します。
問題は、なぜ「自由さ」が創造性の向上につながるかです。