二日酔いにかかわる酒量以外の原因とは?
ガン氏があげる最初の原因は、言わずもがなではありますが個人の体質による生物学的メカニズムです。
まず、摂取されたアルコールは、酵素によって「アセトアルデヒド」という物質に分解されます。
このアセトアルデヒドこそ二日酔いの原因物質であり、これが多く蓄積されるほど、二日酔いの症状も強くなるのです。
アセトアルデヒドは肝臓の働きによって無害な酢酸に変化し、酢酸は最終的に水と二酸化炭素へと分解され、二日酔いの症状を和らげます。
ところが、ALDH2という遺伝子に変異がある人は、アセトアルデヒドの分解が制限され、より体内に蓄積しやすくなるのです。
これは残念ながら遺伝的な要因であり、単に生まれつきお酒に弱い体質の人というだけなので個人では改善のしようがありません。
もし友人と同じ酒量を飲んで、自分だけ二日酔いの症状が強いのなら、ALDH2遺伝子に変異がある可能性が考えられます。
また、年齢や性別も二日酔いの程度に影響すると言われています。
オランダのある研究によると、二日酔いの重症度は、年齢が低いほど高くなるという。
加えて、男女間でも差があり、特に若い(18〜25歳)男性は、同年代の女性に比べて、同じ飲酒量でも二日酔いの重症度が高くなることが分かっています。
しかし、なぜこのような年齢差や性差が出るのかは、今のところ分かっていません。
若い男性は仲間と集まると無茶な飲酒をすることも多いため、注意が必要です。
しかし、それほど自分はお酒に弱くないと思っている人でも、日によって二日酔いになってしまう場合があるでしょう。
そこで次にガン氏が挙げるのが、心理的要因です。
ここでは、不安症や抑うつ、ストレスレベルの高さが、深刻な二日酔いと関連するといいます。
心理的特性はそれぞれ、自分の身の周りの世界を否定的に解釈する傾向とつながっています。
このネガティブバイアスが二日酔いと連動した結果、同じ酒量を飲んだ友人よりも気分が落ち込んだり、悪くなりやすいのです。
同様に、日頃直面する問題やタスクに否定的に対処する人(たとえば、痛みに対して大袈裟であったり、極端に痛がりな人)も二日酔いの際の気分をより低下させやすいことが分かっています。
では、二日酔いを予防する、あるいは症状を軽減させるにはどうすればよいのでしょうか?