「目覚ましの音」と「音色」が覚醒を助ける
覚醒には、脳の血流・睡眠の段階・年齢が関係していると指摘しました。
科学者たちは、これらを目覚まし音(アラーム)によっていくらか調整できると考えています。
そして研究が進むにつれて、徐々に「ある種のアラームが起床後のパフォーマンスにプラスの影響を与える」という証拠が集まってきました。
たとえば、マクファーレン氏による別の研究(Clocks & Sleep, 2020)では、500Hz前後の周波数の音が、2000Hzよりも幼児を目覚めさせるのに効果的だと分かりました。
マクファーレン氏は、この効果が大人にも当てはまると推測しています。
一例をあげますと、500ヘルツは男性の穏やかな声で、1000ヘルツは女性や小型犬の声、2000ヘルツ以上は警報音や赤ちゃんの鳴き声などです。
※以下のサンプル音声は、イヤホンでの視聴をおすすめします。音量にご注意ください。
また、アラームのメロディも起床後の眠気の程度に影響を与えると判明。
「ピーピー」「ピピッピピッ」といった単純なアラームの音よりも、口ずさみたくなるような曲調の方が、眠気を感じることが少なかったのです。
他の研究でも同様の結果が出ており、そこでは「ポピュラーな音楽が短い昼寝からの覚醒に適している」と言われています。
ちなみに、リスナーが個人的に好きな音楽であればあるほど、覚醒の効果は高まったようです。
たとえばマクファーレン氏は、ジャクソン5の「ABC」のような曲が目覚めに効果的だと述べています。
さらに年齢によって覚醒に必要な音量は異なると分かっており、これは単純にアラームの音量を上下することで調整可能です。
さて、マクファーレン氏は、これらの要素を踏まえて、目覚めを改善する独自のアラームを開発しました。