地上の専門家や著名人をISSに転送する
NASAは、将来のミッションでより広範囲にホロポーテーションを利用するための先駆けとして、今回の新たな通信形態のデモンストレーションを行いました。
次に計画されているのは、地球上の人物をホロポートすると同時に、ISSのクルーも地球にホロポートする、双方向のコミュニケーションです。
シュミット氏は「クルーの健康診断や医学的な会議、それに地上にいる家族とのふれあいや、VIPを宇宙ステーションに転送してクルーと面会させるために使う予定」と話します。
また、ホロポーテーションと拡張現実(AR)を組み合わせた、遠隔での技術的アドバイスへの応用も期待されます。
特に、ISSの設備が故障した場合、実際の設計者や修理のエキスパートが、その場に居合わせるわけではありません。
しかし、ホロポーテーションとARを使えば、専門家が地上にいながら、複雑な作業手順をクルーの側で指南することができます。
また、ホロポーテーションは、地球上でも幅広く応用可能です。
極地や戦場、医療現場、海底の石油掘削など、極限的な環境に専門家をホログラムで飛ばすことができます。
たとえば、爆弾解除でも、エキスパートがすぐ横から「それじゃない、上から2番目のコードを切れ!」とアドバイスをくれたら安心できますよね。
ホロポーテーションは、物理的な距離や環境を超えて、人と人をつなぐ革新的な技術となるでしょう。