古代朝鮮の伽耶には日本人の遺伝子を持った人々がいたと判明!
日本では古墳時代にあたる3世紀~6世紀にかけて、朝鮮半島の南部には伽耶と呼ばれた複数の小国が緩やかに連合した地域が存在していました。
これらの地域は古代日本との交流が盛んであり、複数の史書において古代日本との関係が記載されています。
しかしこれまで韓国における歴史的調査のほとんどが伝統的な考古学に基づくものであり、古代人の遺伝的な性質について(伽耶を含めて)調べられることは非常にまれでした。
そこで今回、ウィーン大学の研究者たちは古代の伽耶(4~5世紀)の古墳から採取された8人の人骨からDNAを抽出し、伽耶の人々がどんな遺伝的特徴を持っていたのかを調べることにしました。
結果、8人中6人のDNAが現代の韓国人に類似する要素を持った遺伝子だった一方で、残りの2人のDNAは日本の縄文人に近い遺伝子を多く持っていることが判明しました。
現在の韓国人の遺伝子は非常に均質性が高く遺伝的に孤立しており、縄文人に特徴的な遺伝子を持った人々はほとんど存在しません。
そのため研究者たちは、古代の朝鮮半島に住む人々は、現代に比べて遺伝的多様性が大きかったと結論しました。
しかし、かつては存在したはずの縄文人の遺伝子は、なぜ現代の韓国人にはみられなくなってしまったのでしょうか?
この疑問について研究者たちは、現在の韓国人の祖先を構成する、中国北部出身の集団が原因であると述べています。
この集団は朝鮮半島の海岸線に沿って勢力域を拡大したと考えられており、伽耶などの地域に住んでいた縄文人の遺伝子を持つ人々は最終的に排除・吸収された可能性があるようです。
なお今回の研究では、発掘された人々の顔の復元も試みられました。
古代朝鮮に住んでいた縄文人の遺伝子を持つ人々は、いったいどんな風貌をしていたのでしょうか?