右脳と左脳では得意とする数の大きさが異なっている
なぜ数の大小と左右が結びついているのか?
理由の1つとして研究者たちは、左脳と右脳からなる非対称な脳の存在をあげています。
たとえば人間の場合、左側の視野を担当する脳領域(右脳)は小さな数に対して反応する特徴的な脳波が存在し、右側の視野を担当する脳領域(左脳)からは大きな数に対して反応する脳波が存在することが確認されています。
つまり、左視野(右脳)は小さな数を認識するのが得意な一方で、右視野(左脳)は大きな数を得意とする可能性があるのです。
また人間以外にもサル・ヒヨコ・ミツバチなどの動物においても右脳と左脳の役割が異なる、非対称な脳を持つことが知られています。
ミツバチの場合にも触覚・嗅覚・味覚にかかわる情報が右側の触覚(右脳)で処理されることを好むことが知られており、体の右側において識別能力が高くなっている可能性が示されています。
そのため研究者たちは、脳の左右で得意とする数の大きさをわける「心の数直線」は、情報処理を高速化するのに役立った可能性があり、脊椎動物と無脊椎動物の祖先に遡る、非常に古い起源をもった精神構造であると結論しています。
今後、異なる種で共有された精神構造が明らかになるにつれて、多くの動物の心が同じ骨組みで作られていることが明らかになっていくでしょう。