本当は怖いアリの顔面、「悪魔の目」に見えるものの正体とは?
光学機器メーカーNikonが主催する同コンテストは、今年で48回目を迎え、72カ国から約1300点の応募が寄せられました。
コンテストには、科学者やアーティスト、写真愛好家など、幅広い分野からエントリーがあり、「最も美しいミクロの世界を垣間見たのはだれか」を競い合います。
それに対し、4人の審査員が、独創性・情報量・技術力・視覚的インパクトの観点から、厳正な審査を行い、優秀作品を決定しました。
しかし意外にも、人々の関心を引いたのは、TOP20にランクインしなかったこの一枚でした。
これは、リトアニアの写真家、オイゲニウス・カヴァリアウスカス(Eugenijus Kavaliauskas)氏が撮影した、オオアリ属 (Camponotus)の顔のドアップ写真です。
氏によると、このアリは、リトアニア中西部の都市タウラゲ(Tauragė)にある自宅近くの森で捕まえた、ごく普通のオオアリだそうで、別に悪魔に取り憑かれているわけではありません。
氏は、アリを自宅に持ち帰り、顕微鏡下で5倍に拡大したアリの顔を撮影しました。
特徴的な赤い目が、さも悪魔を思わせるようですが、実はこれは目ではなく、触覚の付け根です。
本当の目は触覚の後ろに位置してあり、もう少し引きで見ると、このようにいつものアリの顔が浮かび上がります。
for those confused, these red, circular things are not its eyes, they’re not on the photo, those are their antennal fossa, heres a picture where the eyes appear https://t.co/WBMfxJZMTG pic.twitter.com/uxU3Yf40gR
— Manuke (@ManukePoker) October 18, 2022
カヴァリアウスカス氏は「写真のアリはかなり恐ろしく見えますが、もちろん、実際の自然界にそれほどの恐怖はありません」と話します。
「私も顕微鏡写真を始めた当初は、あらゆる昆虫が少し怪物じみて見えました。
今ではすっかり慣れて、むしろ私たちの足元にこんなに面白く、美しい、未知の世界が広がっていることにとても驚いています」
しかし、この写真は予想以上に人々に恐怖のインパクトを与えたようで、アメリカのホラー映画監督であるレベッカ・マッケンドリー(Rebekah McKendry)氏も、自身のTwitterにて写真に言及しました。
氏は「ホラー映画から取ってきた画像でしょうか? いいえ、これはアリの真の素顔なのです。アリですよ。さあ、一晩中考えずにはいられなくなるでしょう」と述べています。
Image from a horror movie? Nope. That’s the very real face of an ant.
An ant.
Now you have to think about that all night. pic.twitter.com/HOWLTlnfJ1— Rebekah McKendry, PhD (@RebekahMcKendry) October 17, 2022
ハロウィンが近いこともあり、アリの写真の注目度は異様に高いですが、他にも素晴らしい写真の数々が発表されているので、そちらも見ておきましょう。