最優秀賞に輝いたのは「ヤモリ胚の手」の拡大写真
本年度の最優秀賞に輝いたのは、スイス・ジュネーヴ大学(University of Geneva)のグリゴリー・ティミン(Grigorii Timin)氏とミシェル・ミリンコビッチ(Michel Milinkovitch)氏が共同撮影した「ヤモリ胚の手」です。
こちらは、マダガスカル原産のオオヒルヤモリ(学名:Phelsuma madagascariensis)の胚の幅3ミリの手を拡大したもので、成長中の神経や骨、腱などが鮮明に映し出されています。
また、第4位に輝いた「ユウレイグモ」の写真も見事な一枚に仕上がっています。
こちらは、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のアンドリュー・ポセルト(Andrew Posselt)氏が撮影したもので、イエユウレイグモ(学名:Pholcus phalangioides)の細長い8本の脚と、骸骨のような顔が印象的です。
つづく第5位は、カリフォルニア在住のアリソン・ポラック(Alison Pollack)氏が撮影した「ルリホコリ(Lamproderma)」という粘菌を捉えた写真です。
ルリホコリは、好雪性粘菌と呼ばれ、主に雪の下で生活していて、春の雪解けの時期になると、子実体をつくるという。
小さな粘菌は、顕微鏡写真として人気のテーマです。
それから第10位にランクインした「ハエをくわえるハンミョウ」も見逃せません。
こちらは、トルコの首都アンカラに住むムラット・オズトゥルク(Murat Öztürk)氏の作品で、オサムシ科の甲虫ハンミョウがハエの複眼を強靭なアゴで挟んでいます。
顕微鏡で見ると、まるで鉄がベコッと凹んでいるかのようで、とても印象的です。
と、このように今回の審査結果では、ミクロの世界を捉えた美しい写真が合計で92作品発表されています。
まだまだ驚きの写真が紹介されていますので、ぜひ、こちら(Nikon’s Small World Photomicrography Competition 2022)からご覧ください。