木が枯れると根から栄養分が放出されて「藻類が繁殖する」
過去、地球上では5つの大規模な大量絶滅があったと考えられています。
そのうちの1つは、約3億7400年前に発生した古生代・デボン紀の大量絶滅です。
この時までに、陸上には植物と昆虫が繁栄しており、海には多種多様な海洋生物が存在していました。
しかし、大量絶滅によって海洋生物の約8割が滅んでしまいました。
では、この大量絶滅の原因は一体何だったのでしょうか?
インディアナ大学のフェリッペリ氏ら研究チームは、「木の根」が関係していたと考えています。
通常、根は木の成長と共に土から多くの栄養分を吸い上げますが、その木が枯れることで、栄養分を水中に一気に放出します。
つまり地球規模で木々の成長と衰退が起こると、海は突然、過剰な栄養分で溢れることになります。
そしてこの過剰な栄養分により、藻類が大量繁殖。
海の酸素の大部分を枯渇させ、多くの生物が絶滅へと追いやられたというのです。
ちなみに、水域が栄養の貧しい状態から富んだ状態に移行する現象は、「富栄養化(ふえいようか)」と呼ばれています。
現在でも五大湖やメキシコ湾では、富栄養化が原因で生物が生息できない「デッド・ゾーン」が形成されているようです。
もしかしたら、はるか昔にも、世界規模の富栄養化が生じていたのかもしれません。
では研究チームは、どんな根拠でこの新しい説を唱えているのでしょうか。