地球の「リン濃度の上昇」と「最古の森林の消失」
そして世界中の「古代の湖底の堆積物」を分析することで、リンの濃度には周期があると分かっています。
また岩石や鉱物は、植物の根の成長による物理的な力や、根から出る弱い酸などの影響で風化することが知られています。
そのため風化レベルを調べることで、「木の根が多く湿っている時期」と「木の根が少ない乾燥した時期」を特定できるのです。
研究チームは「デボン紀の堆積物」において、上記の「リンの濃度」と「風化レベル」を比較。
「リンの濃度が高い時期」と「木の根が少ない時期」が一致していると分かりました。
このことは、「多くの木と根が枯れた時期に、根が水中にリンを含む栄養分を放出した」ことを示唆しています。
またデボン紀には、「最古の森林」が形成されたと考えられています。
つまりデボン紀で繫栄した木々が、乾燥時期を迎えて一気に枯れ、海が富栄養化。
これにより、藻類が大量繫殖して生物の大量絶滅が起こった可能性があるのです。
今回フェリッペリ氏ら研究チームは、上記の調査と推察に基づいて、新しい「木の根」仮説を発表しました。
とはいえ、大量絶滅の真実にたどり着くには、従来の仮説を含め、もっと多くの研究が必要でしょう。