エイリアンのような生物の正体は?
今月7日に投稿された実際の動画がこちらです。
ツイート内には「漁師によって発見された透明な海の生き物。この生物は一体?」とキャプションが付けられています。
Transparent sea creature found by fishermen. What kind of fish is this? pic.twitter.com/OU14taCymI
— Figen (@TheFigen_) January 7, 2023
この謎の生物がいつ、どこで捕獲されたかの詳しい情報は記載されていませんが、実は同じ動画が2022年6月22日に一度投稿されているので、少なくとも半年以上前に見つかったものと思われます。
今回は動画を見た別のTwitterユーザーが再アップしたことで、前回以上の大きな反響を呼んでいるようです。
こちらが2022年6月22日に投稿されたツイート。
— Biltek Videos (@arsivbiltek) June 22, 2022
漁師の指先でもがく様子を見ると、サイズは2〜3センチ程とかなり小さいことが伺えます。
しかし頭部や脚、ゼラチン質の筒状の胴体まで全てが無色透明で、こんな生き物は陸上ではお目にかかれません。
というより、この動画を見るまでは地球上に存在するとすら思わなかった人が大半でしょう。
唯一色が見えるのは、顔に付いた小さな目の黒色と頭部にうっすら透けて見える脳の黄色のみです。
科学的な調査がなされていないので詳しい正体は不明ですが、識者の見解では、タルマワシ属(Phronima)の一種として知られる「オオタルマワシ(学名:Phronima sedentaria)」が有力視されています。
オオタルマワシは他の生物を「UFO」にする?
オオタルマワシはクラゲノミ亜目に属する甲殻類の一種で、体長は約2.5センチ、大きい個体だと4.2センチ程になります。
専門家によると、オオタルマワシは熱帯から温帯にかけて広く分布し、太平洋やインド洋、大西洋、地中海など、世界中の海で見られるとのこと。
水深3000メートル付近で記録がある深海生物ですが、その一方で外洋や沿岸の表層にもよく出現することが分かっています。
彼らの最大の特徴は「サルパ」という別の生物に乗り込んで移動することです。
サルパは樽型をしたゼラチン質の動物性プランクトンで、単独で海中を漂うこともあれば、いくつもの個体がチェーン状に連なって巨大なコロニーを形成することもあります。
オオタルマワシは単独で浮遊するサルパを捕まえ、内部を削り取ってほじくり出し、空っぽにしてから乗り込みます。
その姿はまさにUFOに乗っている宇宙人のようです。
オオタルマワシは内部からサルパを食べて餌としたり、卵を産みつけながら海中を移動しています。
ですから、先の動画に見られる生物はおそらく「サルパに乗り込んだオオタルマワシ」と見られます。
一説には、サルパに乗って遊泳する姿が樽を回しているように見えることから「タルマワシ」と名付けられたという。
こう見ると、姿形やサルパの構造の類似性から動画内の生物もオオタルマワシと見て、ほぼ間違いないでしょう。