ごく短い時間の感じ方は心拍によって伸び縮みする
ごく短い時間の感じ方は心拍によって伸び縮みする / Credit:Canva
psychology

人が感じる瞬間的な時間は心拍の影響で伸び縮みする (2/2)

2023.03.11 00:00:00 Saturday

前ページ心拍数が大きく異なる生物は時間の感じ方も異なる

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心拍数のわずかな違いで「1秒未満のごく短い時間」は伸び縮する

「短い音の感じ方」は心拍数の違いで変化する?
「短い音の感じ方」は心拍数の違いで変化する? / Credit:Canva

実験には、18~21歳の心臓病歴のない45人が参加。

彼らの心臓の電気活動は、心電図によりミリ秒単位で測定されました。

そして接続されたコンピュータによって、心臓の鼓動に合わせて80~180ミリ秒(0.08~0.18秒)の短い音を鳴らしました。

さらに参加者には、心拍数の違いで音の時間の感じ方にどんな変化が生じるか答えてもらいました。

その結果、参加者たちは、心拍数が高くなった直後に音を実際よりも長く感じ、心拍数が低くなった直後に音を短く感じました。

時間の感じ方は、心拍のわずかな変化に応じて伸びたり縮んだりしたのです。

研究チームは、「心拍は時間の感じ方に影響を与える」と述べ、こうした感じ方のばらつきを「一時的なしわ」と呼びました。

心拍の変動によって時間の感覚が伸びたり縮んだりする
心拍の変動によって時間の感覚が伸びたり縮んだりする / Credit:Canva

また実験では、が心拍に影響を与えることも示されました。

参加者たちは、音を聞いた後、その音に注意を向ける傾向にありました。

こうした集中が心拍数を変化させ、時間の感覚にも影響を与えていたのです。

結論として、研究チームは「心拍は、時間の経過を感じるために脳が使っているリズムであり、私たちの感じる時間とは直線的なものではなく、常に収縮と拡大を繰り返している」と述べました。

これは、「心拍で時間の感じ方が変わる」という科学者たちの考えを支持するものです。

私たちが思っている以上に、人間は短いスパンで時間の感じ方の変動を経験しているようです。

異なる研究でも、ドキッとした瞬間に人間は周囲をスローモンションに感じていることが事実であるという報告もあります。

サデギ氏らの研究結果はこうした報告とも関連しているかもしれません。

「ドキッ!」とした瞬間に「スローモーションに見える」は本当だった!

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人が感じる瞬間的な時間は心拍の影響で伸び縮みする (2/2)のコメント

鈴木

記事を読んで、原因-結果なのか連関なのかよくわかりませんでした。
心拍のペースメーカは心臓近傍にあり、その情報伝達は心筋や特殊心筋線維を伝うことから、心臓の拍動を脳が感じるのは心筋中の伸張受容器・頸動脈や間脳の血圧受容器からとなり、脳が影響を受けるなら位相遅れがあってもいいように見えます。
例えば第三の外因は考えられませんか。交通事故の起こる瞬間に体感として「世界がスローモーションになる」感覚が生じることがあります。交感神経中枢や副交感神経中枢が脳と心臓ペースメーカへ同時に信号を送っているとすると、心臓の拍と脳の時間間隔の変動が見かけ上同期しているように見えるかもしれません。
そもそも心拍のペースが息を吸った時の肺の伸張の影響(迷走神経反射)を受けているので、呼吸の呼息と吸息の深さやタイミングが脳の感じる時間間隔へも影響をしてるように想像してしまいます。

ゲスト

リズム楽器であるドラムを一時期習っていましたが、プロではないのでクロック聴いて合わせるとかはほぼしないのですけど、人前で演奏するとだいたい速くなりますね。
緊張であったり興奮であったりして体内のクロックが上がるのがはっきり自覚できます。
まあそれが楽しいのですけどね。
生演奏の醍醐味ってやつです。
プロの演奏でもライブ版はだいたいアルバム版より速いですけどね、彼らはちゃんとクロック聴いてそれに合わせてますけど。

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