勃起不全治療薬を塗ったペニスを女性器に挿入しても大丈夫か?
言うまでもありませんが「BZ371A」を塗ってペニスを勃起させる目的は、基本的に性機能に障害のある人の性行為をサポートする点にあります。
そのため「BZ371A」は女性に対する安全性も検証されなければなりません。
そこで動物実験での安全性を確かめた上で、人間の男女の被験者を使った臨床試験が行われました。
結果、「BZ371A」を塗ったペニスを女性器に挿入しても、女性に健康上の問題は生じないことが示されました。
薬を塗布したペニスを口に含むなどした場合の影響も気になるところですが、これについては現状報告はなされていません。
一方で、「BZ371A」を女性のクリトリスに塗布してみたところ、ペニスと同様に勃起が起こることが示されました。
この結果から研究者たちは、女性の性的興奮障害についても「BZ371A」を使用できる可能性があると述べています。
女性のインポテンツは社会的な認知が進んでおらず適切な治療は行われていません。
実際、ペニスの勃起不全と違いクリトリスの勃起不全に対する関心度は低いと言えるでしょう。
しかしクリトリスの勃起機能は、女性が性的快楽を感じるのに重要であり、女性のインポテンツの治療についても今後は考えていく必要があるとされます。
「BZ371A」はこうした問題に対処する際にも役立つ可能性があります。
また研究では、バイアグラなど既存の勃起治療薬と「BZ371A」を併用した場合の影響も調べられています。
結果は非常に良好であり、「BZ371A」はバイアグラとの併用で相乗効果があることが示されました。
この相乗効果は「BZ371A」がバイアグラなどとは異なるユニークな仕組みで働くためだと考えられます。
たとえるならば重いペニスの彫像を立てるときに、上から滑車で引き上げるのがバイアグラだとするなら、「BZ371A」は下から油圧ジャッキで押し上げている状態だと言えるでしょう。
一方の仕組みだけでは力不足でも、もう一方の助けがあれば彫像を立てやすくなります。
現在「BZ371A」は臨床試験の第1相での安全性の確認が完了しており、第2相へ向けた準備が行われています。
もしかしたら近い未来の薬局では、飲む勃起治療薬に加えて塗る勃起治療薬も売られているかもしれません。