南極点のルンバ
1956年11月、アメリカは南極の科学研究基地である「アムンゼン・スコット基地」を建設しました。
この基地の中には、地球の最南端に当たる南緯90度地点「南極点」が含まれています。
ここでの生活は非常に過酷であり極端です。
半年間は太陽が沈まない「白夜」が続き、もう半年間は太陽が全く登らない「極夜」が続きます。
特に極夜では、気温が-73℃を下回ることもあり、吹雪が頻繁に発生します。
そして150人の基地スタッフも、2月中旬から10月下旬までは、40人ほどまで減り、世界の他の地域から完全に隔離されるのだとか。
この間、スタッフたちは、食料、燃料、予備部品、その他何1つ届けられることなく生き延びなければいけません。
ちなみに、ここで働くスタッフたちは季節ごとに交代していくのが一般的です。
しかし基地に常駐し、長年働き続ける特殊なスタッフが4名だけ存在します。
その4名(もしくは4台)とは、ロボット掃除機の「ルンバ」です。
ルンバはアイロボット社が製造・販売するロボット掃除機であり、「ロボット掃除機と言えばルンバ」と考える人が多いほど有名な存在です。
家の中を自動で掃除してくれる丸いルンバの動きには、どこか愛らしさを感じる人も少なくありません。
そんなルンバは、アムンゼン・スコット基地にも導入されており、日々基地内の掃除を頑張っているのだとか。
そして変化と気晴らしが極めて少ないスタッフたちは、ルンバに対して、私たち以上の「愛情」を傾けているようです。
それもそのはず、南極では「南極条約」によって、ペット、植物、土でさえも持ち込むことが禁止されているのです。
そして、この特殊な環境で、「スタッフとルンバの面白いストーリー」が繰り広げられています。