アストロラーベの構造
アストロラーベは複数のパーツから成り立っています。
まず「メーター(Mater)」と呼ばれる中空の円盤があります。
これはアストロラーベの土台のようなもので、メーターの縁の外周には、時刻メモリや角度メモリが刻まれています。
そしてメーターの内側には、「ティンパン(Tympan)」と呼ばれる平らな板が入っており、高度・方位を表す線が等間隔で刻まれています。
通常、1つのアストロラーベには緯度別に複数のティンパンが備わっており、現在地に対応した緯度のティンパンを入れ替えて用います。
またメーターとティンパンの上には、「リート(Rete)」と呼ばれる星の位置を示す回転盤が備わっています。
このリートは透かし彫りで作られており、複数の針が美しい模様を作りながら縁から伸びています。
そしてこれらの針の先が示すのは、主だった恒星の位置です。
リートを、星座早見盤のように回転させて使用することで、現在の星空を把握することができるのです。
ちなみに、どの恒星を含めるかは特に決まっておらず、恒星(針)の数も10~100個以上と幅があります。
アストロラーベを構成するパーツの中でも、特にリートは目立つ存在であり、デザイン性を重視した美しいリートが数多く存在しているようです。
(リートの上には、赤緯の目盛りが付いた時計の針のようなパーツ「ルーラ」が付属することもあります)
最近では、このリートを分析することで、アストロラーベの製造年代を知ることもできるようです。