30年前に発表された忘れられた報告
優れた研究にはしばしば、面白い裏話があるものです。
実は今回の多細胞真核生物が16億3500万年前に誕生したとする研究は、今から30年以上前になる1989年の発見に基づいていたのです。
ただこの報告は記載されていた資料の画像が悪く、アクセスしずらい科学雑誌で発表されたため、ほとんど着目されることなく埋もれていました。
ですが1989年の研究成果を覚えていた研究者たちは2015年に問題の地層を再訪問して採取を行いました。
結果、279個の微化石を発見し、1個を除いて全てが「Qingshania magnifica」であることを発見。
さらなる分析を続け、今回の発表へと至りました。
埋もれていた論文が、埋もれていた生物の発見に繋がったという事実は、今後の調査において有意義な前例となるでしょう。