初期に描かれた「メガロサウルス」の復元イメージ
初期に描かれた「メガロサウルス」の復元イメージ / Credit: NHM – Dinosauria: how the ‘terrible lizards’ got their name
paleontology

初めて「恐竜」に学名が付けられてから200周年!最初恐竜はどんな姿だと考えられていたのか?

2024.02.27 Tuesday

2024年2月20日は、世界最初の「恐竜」の命名が行われてからちょうど200周年のアニバーサリーとなります。

科学史における恐竜の本格的な研究は、この記念すべき「メガロサウルス(学名:megalosaurus)」から始まりました。

しかし恐竜の容姿は今でこそ鮮明になっていますが、当時は数少ない化石断片から生前の姿を復元するのは至難の技でした。

そのため、メガロサウルスの復元像も今とはまったく違うヘンテコな姿で描かれていたのです。

恐竜は当初、人々からどんな見た目の生き物と思われていたのでしょうか?

 

Forget what you saw in Jurassic Park! Hilarious images reveal what scientists thought dinosaurs looked like in the 1800s – and what we really know they looked like now https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-13109547/Palaeontologists-dinosaurs-looked-like-1800s.html THE OXFORD DINOSAUR THAT STARTED IT ALL https://oumnh.ox.ac.uk/megalosaurus-0 200 years of naming dinosaurs: scientists call for overhaul of antiquated system https://www.nature.com/articles/d41586-024-00388-y

世界で最初に恐竜に学名が付けられた日

世界で最初に恐竜の学名を付けたウィリアム・バックランド
世界で最初に恐竜の学名を付けたウィリアム・バックランド / Credit: ja.wikipedia

1824年、英オックスフォード大学の地質学者で聖職者だったウィリアム・バックランド(1784〜 1856)は、イングランド南東部・オックスフォードシャーのストーンフィールドで奇妙な化石を発見しました。

当時の地質学者たちは主に旧約聖書に出てくる出来事や、動物の存在を証明しようと発掘をおこなっていました。そのため、バックランドはこの奇妙な化石に合致する生物が聖書に見当たらないことに頭を悩ませます。

しかしその数年前にイグアノドンの歯の化石を見つけていたイギリス人医師のギデオン・マンテル(1790〜1852)と親交を持ち、互いの化石を研究するにあたって、それらが大昔に存在した巨大なトカゲのような絶滅生物であると確信します。

バックランドによるメガロサウルスの顎のイラスト(1824年)
バックランドによるメガロサウルスの顎のイラスト(1824年) / Credit: en.wikipedia

こうしてバックランドは1824年2月20日に、自分の見つけた化石を”大きなトカゲ”を意味する「メガロサウルス(学名:megalosaurus)」という生物として学術的に記載しました。

これが世界で最初に学名が付けられた恐竜の第一号となります。

その後まもなく「イグアノドン(学名:Iguanodon)」も正式に記載され、学名の付いた2番目の恐竜となりました。

ちなみにですが、このときはまだ「恐竜(Dinosaur)」という言葉も発明されていません。

その言葉が最初に導入されるのは、1841年にイギリスの古生物学者であるリチャード・オーウェン(1804〜 1892)が提唱してからです。

一方で、見つかった化石から復元されたのメガロサウルスは実際とは大きく異なるヘンテコな姿でした。

次ページ描かれたのは実際とは違うヘンテコな姿

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