世界で最初に恐竜に学名が付けられた日
1824年、英オックスフォード大学の地質学者で聖職者だったウィリアム・バックランド(1784〜 1856)は、イングランド南東部・オックスフォードシャーのストーンフィールドで奇妙な化石を発見しました。
当時の地質学者たちは主に旧約聖書に出てくる出来事や、動物の存在を証明しようと発掘をおこなっていました。そのため、バックランドはこの奇妙な化石に合致する生物が聖書に見当たらないことに頭を悩ませます。
しかしその数年前にイグアノドンの歯の化石を見つけていたイギリス人医師のギデオン・マンテル(1790〜1852)と親交を持ち、互いの化石を研究するにあたって、それらが大昔に存在した巨大なトカゲのような絶滅生物であると確信します。
こうしてバックランドは1824年2月20日に、自分の見つけた化石を”大きなトカゲ”を意味する「メガロサウルス(学名:megalosaurus)」という生物として学術的に記載しました。
これが世界で最初に学名が付けられた恐竜の第一号となります。
その後まもなく「イグアノドン(学名:Iguanodon)」も正式に記載され、学名の付いた2番目の恐竜となりました。
ちなみにですが、このときはまだ「恐竜(Dinosaur)」という言葉も発明されていません。
その言葉が最初に導入されるのは、1841年にイギリスの古生物学者であるリチャード・オーウェン(1804〜 1892)が提唱してからです。
一方で、見つかった化石から復元されたのメガロサウルスは実際とは大きく異なるヘンテコな姿でした。