以前一世を風靡した「人の皮膚を一瞬で消し炭にする銃」、ZKZM-500。
「何百メートルも先から標的に火をつけられる」とする中国の開発元に対して、疑問を呈するメディアのレポートが出ました。しかし開発も黙っていません。それに対抗して、銃を実際にテストする様子のビデオを公開したようです。
“South China Morning Post”の報道によると、ZKZM-500レーザーアサルトライフルは、窓を通過し、ヒトの肌や組織を瞬間的に炭化できる目に見えないエネルギービームを放出できるとのこと。
スマホに搭載されているものと類似のリチウムイオンバッテリーで駆動し、2秒の長さの照射を1000発以上撃てるという嘘みたいな性能です。
しかし、もちろんその性能を疑う人たちもいます。懐疑論者たちは、遠くから服を貫通して瞬時に焼くことができる能力は、科学者たちが大げさに言っているだけではないかと疑問を呈しています。
海外TechCrunchは、「このレーザーは風船を割ることさえできないかもしれない」とさえ報じています。「リチウムイオンバッテリーをパワーソースにし、携帯できるようにしたものが、主張されるような熱を至近距離でも生み出す方法は単純に無いし、それが800メートルとなるとなおさらです」
懐疑論の核心は、「レーザーは距離とともに散乱するため、どんどん弱くなる」というもの。「減衰は、例えば数十メートルといった距離を超えてくると些細なものではありません。彼らがすぐにでもこの銃のデモを実世界で行い、私を恥じ入らせることを望みます」と説明しています。
それに対抗するように、ZKZMレーザーを開発した企業は銃をテストしたビデオを公開。
動画には、壁に立てかけたダンボールを、距離のある場所から銃で照射している様子が収められています。光線は目に見えず、カメラマンはどうやら照射された後に走り出し、ダンボールに近づくと、真っ黒な穴と炎を見ることができました。
他の場面では、車のタイヤやTシャツを使ってテストする様子も映っています。豚肉に照射されたときには、すぐさま煙を吐き始め、背景では誰かが咳き込んでいる様子。
ただしこのカメラアングルでは、この武器がどれほどの距離で使われたのかは定かではありません。またチームによると、この中には最大距離で行なわれたテストは無いと言います。
西安光学精密機械研究所が所有しているこの企業は、装置は800メートル以内の標的を撃つことができると主張しており、その距離は雨や霧の影響を受けるとしています。
15mm口径のこの武器の重さは3kgでAK-47と同じです。
企業によると、このレーザー兵器は最新のものであり、レーザーを打つ時に焦点を合わせる必要もないと言います。この武器を大型化し、ドローンを撃ち落とせるレーザーキャノンも将来的には作れるということです。一丁約1万5千ドルですが、個人や組織への販売はできないとのことで、中国陸軍や警察だけに売られるようです。
via: South China Morning Post, gizmodo / translated & text by SENPAI