天井が高い部屋にはデメリットがあるかもしれない
一般的に、天井が高い部屋は開放感があり、気持ちの良い空間として好まれています。
部屋全体を広く感じさせる効果があるため、大勢の人が集まる場所では、特に大切な要素だと言えるでしょう。
実際、イベントホールやギャラリー、スポーツジム、体育館などでは、高い天井が採用されることがあります。
しかし、この開放的な環境は、私たちにメリットばかりをもたらすわけでもないようです。
バウアー氏らの新しい研究によると、集中力を必要とする活動、特に試験のような高ストレス環境では、必ずしも有利に働かないことが示されたのです。
彼女による一連の研究は、建築デザイン(空間の大きさや形状)が人間の認知機能に与える影響を探るために行われています。
例えば過去の研究(2022年)では、仮想現実(VR)を用いた実験で、異なる部屋のサイズが脳活動に与える影響を調査しました。
その際、被験者たちは、VR内の広い部屋にいることで、集中力を必要とするタスクのパフォーマンスが低下しました。
この結果を受けて、バウアー氏らは今回、VRではなく、現実の「天井の高い部屋」で集中力を必要とするタスクにどのような影響が出るのか調べることにしました。