「頭の中で爆発音が生じる」のはどうして?
頭内爆発音症候群の原因は、今のところ正確には分かっておらず、これまでに多くの理論が提唱されてきました。
その中でも最も一般的だとされている考えは、「網様体(もうようたい)の混乱」です。
網様体は、脳幹の背側部分に散在しており、脳の「オン/オフ」スイッチとして機能しています。
私たちが眠りに落ちる時、つまり、覚醒から睡眠へ移行するタイミングでは、網様体の活動が減少し、視覚・聴覚・運動感覚を制御する脳領域が停止し始めます。
そして頭内爆発音症候群の症状は、このスイッチの切り替えが正常に行われない時に生じると考えられています。
例えば、睡眠への移行の調整がうまくいかず、音に関する神経信号が正しく遮断されなかったり、逆に何らかの誤った信号が送られたりすると、頭の中で異常な音を感じてしまうのです。
またデニス氏は、頭内爆発音症候群を引き起こす他の要因として、生活上のストレスを挙げています。
生活上のストレスが私たちの正常な睡眠パターンを乱し、この乱れが頭内爆発音症候群へと繋がる可能性があるというのです。
いずれにせよ、これらは推測の域を出ていないため、今後、さらなる研究が必要とされています。
そして私たちとしては、原因以外にも頭内爆発音症候群について気になる点がまだ残っています。
それは、「頭内爆発音症候群を経験する人は危険な状態にあるのか」という点です。