ADHDだと「キケン行動」に走りやすくなる?
ADHD(注意欠如・多動症)は「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの症状を特徴とする発達障害です。
ADHDになると、注意力が散漫になったり、細かな物忘れが増えたり、興味のないことへの集中力が続かなかったり、計画性を持たずに衝動的に動いてしまうことが多くなります。
それと同時に過去の研究で、ADHD患者では「リスクテイク行動(Risk-taking behaviors:RB)」の保有率が高いことも示されていました。
リスクテイク行動とは、身体のケガや経済的損失、社会的評価の低下など、自分自身にとって潜在的な危険や損失をともなう可能性のある行動を取ってしまう性質を指します。
例えば、危険運転やギャンブル、無謀な投資、バンジージャンプやスカイダイビングといった過激なアクティビティ、健康を害するほどの過剰な喫煙や飲酒習慣などです。
こうしたリスクテイク行動は一見するとADHDには関係しないようにも思えますが、ADHDの主症状の一つに「衝動性」があります。
この衝動性がADHD患者を危険な行動に走らせやすくさせているのかもしれません。
しかしながら「ADHD」と「リスクテイク行動」、これら2つの性質の間をつなぐ生物学的なメカニズムは不明のままでした。
そこで研究チームは今回、ADHDとリスクテイク行動に共通する遺伝的特徴があるかどうかを調べることにしました。