ソーラーパネルはどこに設置すべき?
太陽から電力を生み出すソーラーパネルは、「どこにでも設置すればよい」というものではありません。
太陽が当たる時間をできるだけ長くするため、建物や木々が少ない場所を選ぶべきです。
また、より多くの電力を生成するために、できるだけ広い敷地を探す必要があります。
さらに、安定した土地や土台にソーラーパネルを設置する必要があり、そのための補強工事が必要かもしれません。
加えて、ソーラーパネル上の汚れ(ほこり、鳥の糞、落ち葉、花粉、雪)は発電効率を低下させるため、定期的に汚れを取り除く必要があります。
ソーラーパネルの機能に不具合が生じる場合もあるため、それらを修理したり、取り替えたりする必要もあるでしょう。
これらのメンテナンスの必要性を考えると、簡単にアプローチできる場所を選択すべきだと分かります。
では、こうした要素を満たす場所は、地球上にどれほどあるでしょうか。
建物の屋根はアクセスしやすく、土台も安定していますが、どうしても発電量は小さくなります。
一方で、市街地から遠く離れた広大な空き地や農地、山岳部などはどうでしょうか。
確かに多くの電力を生成できるでしょう。
しかし、アクセスしづらく、地形の起伏が激しいため、設置工事(土木工事・基礎工事)の初期コストが高くなります。
また複数の所有者から土地を買い取ったり、景観を損なうことへの配慮も必要だったりします。
このように考えると、大量のソーラーパネルを設置するのに適切な場所は、なかなか見つからないように思えます。
しかし、スイスの新興企業「Sun-Ways」は、これまで誰も思いつかなかった「適切な場所」を発見しました。
彼らは、スイス中に張り巡らされている「線路のレールの隙間」に、ソーラーパネルを設置しようと考えたのです。