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「線路のレールとレールの間にソーラーパネルを敷く」というアイデア / Credit:Sun-Ways
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【意外な未開の土地】「線路の隙間」にソーラーパネル

2024.10.20 Sunday

太陽光は、現代だけでなく、将来の世代のニーズにも対応できる「持続可能なエネルギー」の1つです。

それゆえ、世界中で太陽から発電するための「ソーラーパネル」の利用が広まっています。

ただし、「日照条件」「設置スペース」「パネルを支える土台の耐久性」「メンテナンスのしやすさ」などを考えると、ソーラーパネルを設置するのに最適な場所は、そこまで多くありません。

スイスの新興企業「Sun-Ways」は、ソーラーパネルを設置するのに最適な場所として、「電車が走行する線路のレールとレールの隙間」に目を付けました。

Sun-Ways社によると、スイスの線路5000kmの間にソーラーパネルを設置することで、スイスの公共交通機関の3分の1の電力需要を満たすことができると主張しています。

Solar power project hits the rails with between-track panel pilot https://newatlas.com/energy/sun-ways-solar-power-between-rail-track-panel-pilot/ sun-ways https://www.sun-ways.ch/en

ソーラーパネルはどこに設置すべき?

太陽から電力を生み出すソーラーパネルは、「どこにでも設置すればよい」というものではありません。

太陽が当たる時間をできるだけ長くするため、建物や木々が少ない場所を選ぶべきです。

また、より多くの電力を生成するために、できるだけ広い敷地を探す必要があります。

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ソーラーパネルの設置に最適な場所は? / Credit:Canva

さらに、安定した土地や土台にソーラーパネルを設置する必要があり、そのための補強工事が必要かもしれません。

加えて、ソーラーパネル上の汚れ(ほこり、鳥の糞、落ち葉、花粉、雪)は発電効率を低下させるため、定期的に汚れを取り除く必要があります。

ソーラーパネルの機能に不具合が生じる場合もあるため、それらを修理したり、取り替えたりする必要もあるでしょう。

これらのメンテナンスの必要性を考えると、簡単にアプローチできる場所を選択すべきだと分かります。

では、こうした要素を満たす場所は、地球上にどれほどあるでしょうか。

建物の屋根はアクセスしやすく、土台も安定していますが、どうしても発電量は小さくなります。

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アクセスのしやすさ・メンテナンスのしやすさも重要 / Credit:Canva

一方で、市街地から遠く離れた広大な空き地や農地、山岳部などはどうでしょうか。

確かに多くの電力を生成できるでしょう。

しかし、アクセスしづらく、地形の起伏が激しいため、設置工事(土木工事・基礎工事)の初期コストが高くなります。

また複数の所有者から土地を買い取ったり、景観を損なうことへの配慮も必要だったりします。

このように考えると、大量のソーラーパネルを設置するのに適切な場所は、なかなか見つからないように思えます。

しかし、スイスの新興企業「Sun-Ways」は、これまで誰も思いつかなかった「適切な場所」を発見しました。

彼らは、スイス中に張り巡らされている「線路のレールの隙間」に、ソーラーパネルを設置しようと考えたのです。

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