スーパームーンの定義
ニュースなどでよく話題になる「スーパームーン」という言葉は、「地球から見た月が最大に見える状態」を指して利用されています。
しかし実は、この言葉は天文学の正式な用語ではなく、もともとは占星術に由来するものでした。
この用語は、1979年に占星術師Richard Nolle氏が独断的に定義したものであり、彼によると、スーパームーンとは、「地球に最接近(90%以内)した新月または満月」のことです。
しかし新月では、地球から見て月と太陽が同じ方向にあり、地球上から月が見えなくなっています。
そのため現代では、スーパームーンという言葉を「満月」にのみ使用することがほとんどです。
Nolle氏の「月が地球に最も近づいた近地点の90%以内」という定義を考慮すると、スーパームーンは年に数回観測されることになります。
ただし、Nolle氏は「90%以内」という数字を定めた理由を説明していません。
そのためスーパームーンの定義自体が曖昧であり、日本などではこの言葉を、「今年見える満月のうち、最も大きなもの」として使用しています。
こうした背景を考えると、スーパームーンという言葉は、文脈によっていくらか意味が異なる場合がありますが、一般的な理解としては普段より大きい月という理解で問題はないでしょう。
(※この記事では、スーパームーンを「今年最大の満月」の意で使用します)
ここまでは、スーパームーンの定義について考えてきました。
では、どうして1年のうちに月のサイズが大きくなったり小さくなったりするのでしょうか。