カニの美味しさの秘密は?
冬の楽しみの1つは「カニ」だという人は少なくありません。
ズワイガニやタラバガニが旬な季節であり、おせち料理に入れたり、家族でカニ鍋を楽しんだりするかもしれません。
また北海道や鳥取県、兵庫県などに旅行した際には、新鮮なカニを食べたいと思うことでしょう。
このように、多くの日本人にとってちょっと特別で豪華な食材のカニは、奇妙な見た目とは裏腹に、殻に包まれた身を食べると独特の風味と甘さを有しています。
とはいえ、いつも私たちが食べている「カニの身」は、実は筋肉であり、脂肪が少なく味自体は淡泊です。
では、カニの風味や美味しさはどこから来ているのでしょうか。
それにはカニに含まれるエキス成分(アミノ酸などで構成される)が大きく関係しています。
例えば、そのうちの1つであるアミノ酸「グリシン」は自然な甘みと旨味を有しており、甘味度は砂糖の約70%です。
カニの身を食べた時に「甘くて美味しい」と感じるのは、こうしたエキス成分が含まれているからなのです。
だからこそ、加熱調理や解凍を失敗すると、それら旨味エキスが流出してしまい、「水っぽい」「味がない」と感じてしまいます。
ここまでで、カニの身とその美味しさの秘密について考えてきましたが、カニ好きには見過ごせない別の部位があります。
それは、カニの甲羅に隠された少量の「カニミソ」です。
カニミソには独特の風味と濃厚な味わいがあり、「手間をかけても食べたい」という人が少なくありません。
しかし、カニミソがどんな食べ物なのか誤解している人もいます。
その名称から「脳みそ」だと思っているかもしれませんが、実は全く違います。
では、カニミソの正体はいったい何なのでしょうか。