アレルゲンを彼女に移した「あるルート」とは?
調べによると、彼らはその日、避妊具なしの性行為をしており、彼氏側の精液が彼女側の膣内に付着していたことがわかりました。
実際に彼女はその直後から陰部の内外にかゆみと腫れを引き起こし、そこから蕁麻疹の広がりや息切れが起こったといいます。
そこで医師らは精液を介したアレルギー反応が起こるかどうかを調べるため、「プリックテスト」を実施しました。
プリックテストは、液体状のアレルゲンを被験者の皮膚に一滴だけ落とし、すばやく拭き取って、15分後に赤みや痒み、腫れが生じるかどうかを調べるものです。
そしてここでは「ナッツを食べる前の彼氏の精液」と「ナッツを食べた後の彼氏の精液」を採取し、彼女の皮膚に晒してみました。
その結果、ナッツを食べていない状態の精液では何も起こらなかったのに対し、ナッツを食べた状態での精液では彼女の皮膚にミミズ腫れが生じたのです。
この結果から原因は明らかになりました。
彼氏が性行為前に食べたナッツのアレルゲンが精液に混入し、それが彼女の体内に付着することでナッツアレルギーを引き起こしていたのです。
性行為から食物アレルギーが起きる症例は極めて稀な報告であり、アレルギー反応がいかに敏感であるかを浮き彫りにするケースとなりました。
つまり、食物アレルギーを持っている方はたとえ自分自身が気をつけていたとしても、その食物を摂取したパートナーと性行為をすることでアレルギー反応を起こす危険性があるのです。
その後、女性は薬の投与により45分以内にアレルギー症状が治まっており、大事には至っていません。
翌日まで疲労感や倦怠感が続いたものの、蕁麻疹や呼吸困難の症状はなく、体調も回復しました。
以後はナッツを食べた後のパートナーとは性的接触を完全に控えるように注意しているとのことです。