家電製品と会話できる日は近い
チームはロボットが表現豊かに動く場合と、単に機能的に動く場合で、人間の受ける印象がどのように異なるかを調べました。
実験では、約20名の参加者にロボットがタスクをこなす映像を見せ、それぞれのロボットに対する印象を評価してもらいました。
その違いは顕著なものでした。
表現力のある動きをするロボットは、機械的に機能するだけのランプに比べて、より親しみやすく、魅力的に感じられることが示されたのです。
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例えば、写真撮影のために特定の物体を照らすタスクでは、単なる機能的なロボットは「ただ静止するだけ」でしたが、表現豊かなロボットはランプシェードを傾け、まるでユーザーを見つめるように動作することで、より自然で直感的なインタラクションを実現しました。
また天気予報を尋ねた際には、単なるロボットはすぐに答えを返すのに対し、表現豊かなロボットは一度窓の外を「見る」ような仕草をしてから答えることで、ユーザーに「このロボットは本当に考えている」と感じさせる効果を生み出しました。
Appleはこれまで、スマートフォンやコンピューター、アプリ開発を主軸としてきました。
しかし近年のAI技術の発展とともに、家庭用ロボット市場への進出も視野に入れていると報じられています。
今回のロボットランプの研究は、その第一歩とも言えるでしょう。
今後、この技術が進化すれば、家電製品に「個性」が加わることが一般的になるかもしれません。
例えば、冷蔵庫が食材を管理しながら「今日は野菜を多めに摂ったほうがいいですよ」と話しかけたり、掃除ロボットが「今日はちょっと疲れたからゆっくり動くね」と冗談を言う未来も考えられます。
今回の研究が示したのは、ロボットが単なる機械ではなく、人と共存する「相棒」のような存在になりうるということです。
映画の中のランプが現実世界でも私たちの生活を照らし、時には会話を楽しむ日が来るかもしれませんね。
こちらは実験の様子。(音量にご注意ください)