タイプごとに「愛情ホルモン」の分泌の仕方が違っていた
実験前後の唾液中のオキシトシン濃度を調べると、愛着スタイルごとに変化の仕方が違っていました。
まず安定型の猫は、実験前のオキシトシン濃度は低かったのですが、飼い主との交流を通じて大幅に増加していました。
これは安定型の猫は飼い主との積極的な交流によって、より気分が向上し、飼い主との絆も深まると考えられます。
次に不安型の猫は、実験前のオキシトシン濃度が高めでしたが、飼い主との交流によって減少する傾向が見られました。
不安型の猫に対しては無理に抱き上げたり、何度も撫でたりすることがストレスになると考えられます。
最後に回避型の猫は、実験前も実験後もオキシトシン濃度に有意な変化が見られませんでした。
これらの猫は飼い主との積極的な交流を望んでいないため、触れ合うことで愛情を育むことは難しいようです。
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今回の研究は、猫の愛着スタイルに「安定型」「不安型」「回避型」の3タイプがあること、それぞれのタイプごとに適切な接し方があることを示しました。
ただしチームはこの研究について、猫のサンプル数の少なさや対象品種の少なさ、飼い主の家庭環境の違いなどから「同じ分類や結果がすべての猫に当てはまるとは限らない」と注意しています。
これらの点を踏まえ、今後の研究ではより多様な飼い主と猫の集団を対象に関係性を探ることが求められます。
それでも、猫のタイプごとに適切な距離感やストレスを与えない接し方があることを示すには十分な成果です。
猫を飼っている方、あるいは猫を飼おうと思っている方は、個々の猫の性格や愛着スタイルを見極めることで、適切な触れ合い方や良好な関係を築くことができるでしょう。