「記憶に残りやすい画像」と「記憶に残りにくい画像」の違いは何か?
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私たちは毎日、無数の画像を目にしています。
SNSの投稿、テレビのCM、雑誌の写真——しかし、それらすべてを覚えているわけではありません。
なぜある写真は強く記憶に残り、別の写真は一瞬で忘れてしまうのでしょうか?
ある人は「明るい写真や綺麗な写真が記憶に残りそう」と考えるかもしれません。
しかし、実際にはそのような写真が必ずしも記憶に残るわけではないと分かっています。
また、人が映っている写真はそうでない写真より記憶されやすいという傾向がありますが、それだけでは説明できない要素も多く存在します。
では、私たちの脳はどのようにして「記憶に残りやすい写真」と「忘れやすい写真」を区別しているのでしょうか?
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新美氏は、その答えを探るため、「瞳孔」に注目しました。
瞳孔の大きさは、単なる明るさの調整だけでなく、精神的活動によっても変化することが知られています。
たとえば、驚いたり、怖いものを見たりすると瞳孔が開きます。
また、瞳孔の大きさは感情以外にも、認知、特に記憶とも関係していると分かっています。
例えば、簡単な数字(3桁の数)を記憶するときよりも、難しい数字(7桁の数)をがんばって記憶するときの方が瞳孔が大きくなる傾向があります。
こうしたことから新美氏は、「記憶に残りやすい写真」と「忘れやすい写真」を見たときにも瞳孔の大きさに違いが生じるかもしれないと考え、確かめることにしました。