ベスビオ火山の犠牲者の脳がガラス化する
紀元79年、ベスビオ火山が大噴火を起こし、ポンペイとヘルクラネウムの街を一瞬にして埋め尽くしました。
火砕流と呼ばれる灼熱のガスと火山灰の流れが、数千人の住民を即死させたとされています。
今回ガラス化した脳が発見されたのは、ヘルクラネウムにあった「コレギウム・アウグスタリウム」(皇帝崇拝のための建物)の内部でした。

この場所で見つかった若い男性(おそらく20歳くらい)は、火山灰に埋まったベッドに横たわっていました。
そして研究チームが、彼の遺体を調べたところ、頭蓋骨の中から暗い色をしたガラスが見つかりました。
このガラスを化学分析した結果、脂肪酸やタンパク質が脳組織と一致することが確認されました。
また、顕微鏡分析により、神経構造(ニューロンや軸索)が保持されていることも判明しました。
つまり、この黒い物体は単なる炭化物ではなく、古代の脳がガラスの形で保存されたものなのです。
では、どうして脳がガラス化したのでしょうか。