子供が太りやすくなる母親の特徴とは?
「親が太っていたから自分も太りやすい」
そんな話を聞いたことがある人は多いかもしれません。
食生活が似ているから?
それとも体質が遺伝するから?
確かに親子で似た体型になるのは、遺伝的な影響もありますし、同じ家庭環境の中で同じような食生活を送っていることも一因です。
過去の研究でも、妊娠中の母親の栄養状態や、赤ちゃんの出生体重、授乳の有無、育児中の食習慣などが、子どもの肥満リスクに関係することが報告されています。
特に注目されてきたのが、母親の妊娠中や産後の体重、および生活習慣です。
例えば、ある研究では、母親の喫煙習慣やBMI(体格指数)が子どもの成長に大きく影響することが示されています。
しかしこれまでの研究の多くは、子どもの初期段階、せいぜい10代前半までのデータをもとにしており、大人になるまでの長期的な影響を追跡したものは限られていました。
では、子どもが成長してからも、その影響は本当に続いているのでしょうか?

今回の研究では、1958年に英国で生まれた1万7000人以上の人々のデータを使用しました。
この調査は、対象者たちが生まれたときから、16歳・33歳・42歳と、複数の時点で追跡されており、母親の体型や喫煙習慣、父親の職業階級、子どもの出生順位、性別など、多数の要因が詳細に記録されています。
研究チームは、以下の3つの時点での肥満状況を調べました。
1:16歳時点での肥満・過体重
2:16歳時点では健康体型だった人が、42歳までに肥満・過体重になったケース
3:42歳時点での肥満・過体重
その結果、母親が肥満であった場合、子どもが42歳時点で肥満になる確率は、母親が肥満でない場合に比べて、約3倍にもなることがわかりました。
また、母親が1日10本以上のタバコを吸っていた場合にも、子どもが肥満になるリスクが有意に高まるという結果が得られています。
これらの傾向は、イギリスで肥満率が大きく上昇する前後の年代を通じて、一貫して観察されたという点も重要です。
つまり、母親の体型や生活習慣が子どもの将来の体型に影響を与える力は、時代を超えて長期的に持続することが示されたのです。