周期表をコンプリートしようとした青年が逮捕される
事件が発覚したのは2023年8月。
オーストラリア税関がシドニー空港で、アメリカから届いた小包をスクリーニングした際に、微量の放射線を検出しました。
これにより、大規模な危険物警報が発令され、オーストラリアの国境警備隊、消防士、警察、救急隊員が現場へ駆けつけるという大事件へと発展しました。
検査の結果、小包の中にはごく微量のプルトニウムが含まれており、送り先はシドニー在住の男性、エマニュエル・リデン氏であることが判明。
直ちに当局によってリデン氏は逮捕されました。

調査の中で、リデン氏は周期表にある全元素のコレクションを目指していたと供述。
プルトニウムはその最後の一つであり、ネットオークションを通じてアメリカから取り寄せたとされています。
オーストラリア国家安全保障当局によれば、このプルトニウムは核兵器としての実用性を持たない量だったものの、オーストラリア国内法に基づく厳格な輸入規制に違反していたとのことです。
オーストラリア国内で核関連物質を無許可で輸入することは、最大10年の懲役刑が科される重大犯罪に該当します。
報道では、リデン氏が輸入しようとしたプルトニウムは合法的な所有許可や通関申請が一切なかったとされています。