「映画に登場するような自白剤」は存在しない
多くの人が知っている通り、現実にも「自白剤」は存在します。
しかし、私たちがフィクションで見てきたような「嘘をつけない」「尋ねられたことをつらつらとしゃべってしまう」などの、はっきりとした効果が得られる便利な薬ではありません。
では、現実の自白剤とはどのようなものなのでしょうか?
人類はローマ帝国が存在した時代から、何らかの薬物の影響を受けている人が「真実を語りやすい」ことを知っていました。
そして第一次世界大戦のころから自白剤の開発が盛んになったと言われています。
ただしこれら自白剤には、「脳や体の機能を一部麻痺させる」以上の働きはありません。
しかし自白剤を投与されると、「まっすぐに歩く」ことが難しくなったり、「嘘をつく」などの集中力を必要とする思考が難しくなるのです。
同様のことは、強烈な睡魔に襲われた時にも生じます。
起きているのか寝ているのか分からない状態では、真実を話すよりも嘘をつく方が難しいでしょう。
また気分がハイになる薬物であれば、「自制がきかなくなり、調子に乗って色々話してしまう」なんてこともあるでしょう。
これらのような意味で、いくつかの自白剤には「真実を語らせる」効果があると言えます。
では、実際にどのような薬物が用いられてきたのでしょうか。