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水中のマイクロプラスチックを回収するクリーナーが登場 / Credit:Orlin D. Velev(North Carolina State University)et al., Advanced Functional Materials(2025)
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水中のマイクロプラスチックを一網打尽!投入するだけで集めて浮かせるクリーナーが登場【そのメカニズムとは?】

2025.04.24 18:00:54 Thursday

「水の中にもマイクロプラスチックが入っている」と聞くけれど、実際にはどれくらい入っているのでしょうか?

例えば、ペットボトルの水や海の水には、一杯の水に数百から数千個もの小さなプラスチックが混ざっているという調査もあります。

これだけ身近な水にプラスチックが入っているのは驚きです。何とかして取り除くことはできないのでしょうか。

ノースカロライナ州立大学の研究チーム(North Carolina State University)は、水に入れるだけでマイクロプラスチックを集めて回収できる「マイクロクリーナー」を開発しました。

研究の詳細は、2025年3月25日付の『Advanced Functional Materials』に掲載されています。

New Water Microcleaners Self-Disperse, Capture Microplastics and Float Up for Removal https://news.ncsu.edu/2025/03/cleaning-microplastics-in-water/
Designing of Self-Dispersing Soft Dendritic Microcleaners for Microplastics Capture and Recovery https://doi.org/10.1002/adfm.202423494

水の中に潜む「マイクロプラスチック」を回収する方法とは?

マイクロプラスチックとは、直径が5ミリ以下の小さなプラスチックの破片のことです

その中には中には1ミリ未満の顕微鏡サイズのマイクロプラスチックも存在します。

これらは、プラスチック製品が海や川で割れたり風化したりしてできます。

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ドイツの河川の堆積物に含まれているマイクロプラスチック(白色のバーは1mmを示す) / Credit:Wikipedia Commons

そして魚やがこのプラスチックを食べてしまうと、それを食べた人間にも影響が出る可能性があります。

また、プラスチックは生き物の体に入り込むだけでなく、化学物質を吸い込んで濃縮することもあります。

近年、プラスチック製品の使用が増えるとともに、分解されにくいマイクロプラスチックの量も急増し、環境や健康への不安が深まっています。

私たちの生活に欠かせないあらゆるに「目に見えないマイクロプラスチック」が潜んでいることを考えると、多くの人が不安に感じるのも無理はありません。

では、これらマイクロプラスチックを水の中から取り除くことは可能でしょうか。

研究チームは「水に投げ込むだけ」で浮遊するプラスチックをまとめて集め、簡単に回収できるアイテムを作ることを目指しました。

そこで誕生したのが「マイクロクリーナー」です。

次のセクションで、この新しい道具がどんな仕組みで動くのかを見ていきましょう。

次ページ投入するだけで、マイクロプラスチックを「集めて」水面に「浮かべる」マイクロクリーナー

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