乳児と十代の若者のにおい成分を分析
赤ちゃんが甘いにおいをしていることは、よく知られています。
この甘いにおいは、赤ちゃんが成長していく中でいつしか無くなっていきます。
そして、十代の思春期になる頃には、あまり好まれないにおいが生じるようになってきます。
運動後の男子高校生が使った更衣室に入った経験がある人は、その時の独特なにおいを思い出すかもしれませんね。
では、人の汗の匂いがたった十数年で、「いいにおい」から「嫌なにおい」へと変化するのはなぜでしょうか。
においの違いはよく知られていますが、どの成分がその違いを生じさせるのかは、ほとんど知られていません。
そこでルース氏ら研究チームは、実験でその点を明らかにしようとしました。
今回の研究では、0~3歳の乳児18人と14~18歳の十代の若者18人が集められ、それぞれ乳児グループと若者グループに分けられました。
そして被験者たちは、わきの下にパッドを入れた綿のTシャツを着て、一晩眠ります。
その後、パッドは「ガスクロマトグラフィー」を用いて、人間の嗅覚検査を組み合わせて、化学物質の検出とにおいの強さを評価しました。
(ガスクロマトグラフィーとは、気化しやすい化合物の成分を分離させて調べる機器分析の手法)
ちなみに被験者たちは、実験前の48時間で食事のコントロールと衛生管理がなされ、香料入りの洗剤の使用も控えるよう求められました。