ノミの跳躍タンパク質「レジリン」を模倣
医療機器における感染リスクは、現代の医療における深刻な課題の一つです。
とくに体内に埋め込まれるインプラントに付着する細菌は感染症をもたらす場合があります。
感染対策を講じたとしても、手術後のインプラントに細菌が見つかることがあるのです。

そこで近年注目されているのが、「そもそも細菌を表面に寄せ付けないコーティング」の開発です。
今回の研究チームが着目したのが、昆虫の関節に存在する“レジリン(Resilin)”というタンパク質でした。
レジリンは、ノミやバッタ、ハチなどの関節部分に存在し、驚異的なジャンプや羽ばたきを可能にする高弾性タンパク質です。
例えばノミのいくつかの種は、自身の体長の200倍もの高さにジャンプすることができます。
その際に脚の関節に蓄えられたレジリンがバネのようにエネルギーを開放することで、この離れ業を可能にしています。
また、ミツバチや蚊のような小さな昆虫が毎秒何百回も羽ばたくことができるのも、レジリンの存在が大きく関わっています。
こうした天然レジリンの持つ機能性を参考に、研究チームは人工的に合成された「レジリン模倣ポリペプチド(RMP)」を設計し、抗菌コーティング剤としての応用が試みました。






























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