オリーブオイルに豊富に含まれる「オレイン酸」の過剰摂取が、マウスの脂肪細胞の数を増やすと判明

研究の結果、唯一、オレイン酸を多く含む食事を与えられたマウスでは、脂肪細胞の新生が誘導され、新たな脂肪細胞が多数形成されました。
オレイン酸とは、オリーブオイルに豊富に含まれる脂肪酸であり、他にも牛肉やアーモンドなどに含まれています。
血管の健康を保ち、生活習慣病を予防するとも言われています。
ちなみに、他の脂肪酸では、脂肪細胞の増殖は観察されませんでした。

ではなぜ、オレイン酸だけがこのような作用を持つのでしょうか?
通常、脂肪が形成されるプロセスはある程度制御されています。
しかし研究チームは、オレイン酸の過剰摂取が前駆脂肪細胞を活性化させ、普段働いている脂肪細胞増加のブレーキシステムを抑え込むことを発見しました。
研究チームは、脂肪細胞を軍隊に例えています。
オレイン酸を摂取すると、軍隊内の「脂肪細胞の兵士」の数が増え、余分な栄養素を蓄える能力が高まります。
そして過剰な栄養が送り込まれると、それらの兵士(脂肪細胞)がすべて“備蓄モード”に入り、結果として肥満が生じてしまうのです。
このように、脂肪細胞の数そのものを決定づける生体メカニズムに、食事の脂質構成が直接的に関与しているというのは、極めて重要な発見です。
一方で、この研究にはいくつかの限界も存在します。
まず、マウスモデルを用いた実験であるため、ヒトに完全に当てはまるとは限りません。
また、オレイン酸の量がかなり高く設定されている(研究では摂取カロリーの45%をオレイン酸由来に設定)ため、通常の食生活に当てはめることはできません。

では私たちは、これをどう受け止めればよいのでしょうか?
オリーブオイルは動脈硬化や心疾患予防に良いとされてきた実績があり、すぐに「悪い油」と見なすのは早計です。
しかし、「健康に良いから」といって過剰に使うことは避けた方がよいことは明らかです。
近年では糖質をカットして脂質を大量に摂取するダイエット法にも注目が集まっています。
そうした特殊なダイエットでは、もしかしたらオレイン酸の過剰摂取に繋がってしまうかもしれません。
脂質も糖質も、身体に必要なものです。
しかしその“質”と“量”には注意が必要です。
健康のカギは、摂りすぎず、足りなさすぎず、バランスにあります。
イタリア人もかなり肥満多いので「知ってた」っていう感じですねw
なんでもそう、盲信して同じものを摂り続けるのは良くない。満遍なく、時には妥協するくらいがちょうどよい。