肥満の敵!?「脂肪細胞の数」を増加させるものとは?
肥満といえば、一般には「摂取カロリーが多すぎたから太る」と考えられています。
しかし実際には、それだけでは説明しきれない現象がいくつも存在します。

肥満には大きく分けて2つの仕組みが関わっています。
1つは、脂肪細胞が大きくなることで、既に存在している脂肪細胞が脂肪を取り込んで膨らみます。
もう1つは、脂肪細胞の数が増えることであり、脂肪細胞の元になる細胞(前駆脂肪細胞)が分裂・分化し、新しい脂肪細胞が生まれます。
前者は短期的な肥満に関与しますが、後者の“数の増加”は、長期的で慢性的な肥満の元凶です。
いったん数が増えた脂肪細胞は、痩せても減らず、リバウンドの原因にもなります。
このように、肥満がなかなか解消されない背景には、「脂肪細胞の増加」が関与している可能性があります。
今回の研究では、この肥満の原因にさらに迫るべく、「オイルの“種類”が脂肪細胞の数に与える影響」に着目しました。
そのためにも研究チームは、マウスに対して様々な種類の高脂肪食を与えました。
ラード、ココナッツ油、大豆油、オリーブ油などに含まれる特定の脂肪酸を豊富に含む特殊飼料を与え、脂肪細胞の増加数に与える影響を調べたのです。