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体に良いとされるオイルの過剰摂取が脂肪細胞の数を増やしているのかも / Credit:Canva
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健康に良い”あのオイル”の過剰摂取が「脂肪細胞を増殖させる」と判明

2025.06.11 11:30:08 Wednesday

オリーブオイルといえば健康的な油として知られています。

サラダやパスタ、揚げ物まで、さまざまな料理に使われ、「ヘルシーな油」として世界中で推奨されてきました。

ところが、この油の働きを分析したところ、過剰摂取は体に毒かもしれないことが分かりました。

アメリカのオクラホマ大学(University of Oklahoma)とイェール大学(Yale University)の研究チームは、オリーブオイルの主成分であるオレイン酸の過剰摂取が、マウス実験において、脂肪細胞の“数”を増やしてしまうことを突き止めたのです。

この研究成果は2025年4月22日付の『Cell Reports』誌に掲載されました。

Too much “good fat” tells the body to make more fat cells, study finds https://newatlas.com/diet-nutrition/oleic-acid-fat-cells/ New Research Shows Excessive Oleic Acid, Found in Olive Oil, Drives Fat Cell Growth https://ou.edu/news/articles/2025/june/excessive-oleic-acid-found-in-olive-oil-drives-fat-cell-growth
Dietary oleic acid drives obesogenic adipogenesis via modulation of LXRα signaling https://doi.org/10.1016/j.celrep.2025.115527

肥満の敵!?「脂肪細胞の数」を増加させるものとは?

肥満といえば、一般には「摂取カロリーが多すぎたから太る」と考えられています。

しかし実際には、それだけでは説明しきれない現象がいくつも存在します。

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脂肪細胞の数が多いと肥満になりやすい / Credit:Canva

肥満には大きく分けて2つの仕組みが関わっています。

1つは、脂肪細胞が大きくなることで、既に存在している脂肪細胞が脂肪を取り込んで膨らみます。

もう1つは、脂肪細胞の数が増えることであり、脂肪細胞の元になる細胞(前駆脂肪細胞)が分裂・分化し、新しい脂肪細胞が生まれます。

前者は短期的な肥満に関与しますが、後者の“数の増加”は、長期的で慢性的な肥満の元凶です。

いったん数が増えた脂肪細胞は、痩せても減らず、リバウンドの原因にもなります。

このように、肥満がなかなか解消されない背景には、「脂肪細胞の増加」が関与している可能性があります。

今回の研究では、この肥満の原因にさらに迫るべく、「オイルの“種類”が脂肪細胞の数に与える影響」に着目しました。

そのためにも研究チームは、マウスに対して様々な種類の高脂肪食を与えました。

ラード、ココナッツ油、大豆油、オリーブ油などに含まれる特定の脂肪酸を豊富に含む特殊飼料を与え、脂肪細胞の増加数に与える影響を調べたのです。

次ページオリーブオイルに豊富に含まれる「オレイン酸」の過剰摂取が、マウスの脂肪細胞の数を増やすと判明

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