DARPAが8.6kmのワイヤレス電力伝送に成功!ポップコーンも作れる
戦場や災害現場において、安定した電力の確保は生死を左右する要素となります。
にもかかわらず、最後の数マイルで電力を届ける手段が乏しく、兵士が燃料を手で運ぶような原始的な方法に頼らざるを得ないことも珍しくありません。
このような「ラストマイル問題」は、現代の軍事・人道支援の現場における大きな課題です。
こうした状況を打破すべく、DARPAは光、すなわちレーザーを用いた電力伝送に注目しました。
では、インターネットがケーブルからWi-Fiへと進化したように、電力も”無線化”することは可能なのでしょうか。

DARPAの「POWER」プログラムは、この問いに真正面から挑戦するものです。
具体的には、レーザー光線によって離れた地点に電力を送信する新技術の実用化を目指しています。
これにより、将来的には「電線のいらない電力網」が実現する可能性があるのです。
今回の実験では、800Wという家庭用電化製品も動かせるレベルの電力を、8.6kmもの距離に30秒間レーザーで届けることに成功しました。
これは、これまでの「230Wを1.7km」、あるいは「もっと低い出力で3.7km」の伝送という過去の記録を大きく上回る快挙です。

加えて、実験中にはレーザー送電によってポップコーンマシンを作動させるというパフォーマンスも行われ、視覚的にも成功が示されました。
これは映画『Real Genius』へのオマージュであり、この映画ではレーザーでポップコーンを作る象徴的なシーンが登場します。
無線で電力を送り、8.6kmも離れた場所でポップコーンが出来上がるなんて夢のある話でしたが、今やそれは現実なのです。
では、DARPAはいったいどうやってワイヤレス電力伝送の新記録を樹立したのでしょうか。



























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