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ワイヤレス電力伝送の新記録を樹立。ポップコーンも作れる / Credit:DARPA
technology

【8.6km先でポップコーンを作る】DARPAがワイヤレス電力伝送の新記録を樹立 (2/2)

2025.06.19 18:00:54 Thursday

前ページDARPAが8.6kmのワイヤレス電力伝送に成功!ポップコーンも作れる

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電力伝送の新記録はどのように可能になったのか?将来はドローンでの中継も

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PRADの受信機 / Credit:DARPA

この革新的な送電は、PRAD(Power Receiver Array Demo)と呼ばれる装置によって実現されました。

PRADは、球体構造を持つ装置で、小さな開口部からレーザーを内部に取り込みます。

取り込まれたレーザーは、内部のパラボラミラーで拡散・反射され、複数の高感度な太陽電池パネルに照射されます。

これにより、レーザー光は再び電気へと変換され、外部機器へと供給されるのです。

変換効率は現在のところ約20%に留まっていますが、DARPAはこれはあくまで初期段階のものであり、今後の技術改良により大幅な効率向上を目指しています。

そして現在はまだ地上間での送電に留まっていますが、DARPAはすでに次なるステップに着手しています。

それが、「空中中継プラットフォーム」の導入です。

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ドローンや航空機を中継して電力伝送する計画 / Credit:DARPA

ドローンや高高度飛行機に送電中継装置を搭載し、大気中の厚い層の影響を軽減しながらレーザーをリレー形式で送ることで、より効率的かつ障害物のない電力伝送を実現する計画です。

この構想が現実化すれば、最終的には125マイル(200km)先に10kWのエネルギーを送信できるシステムが確立される見込みです。

DARPAのPOWERプログラムマネージャーであるポール・ジャフェ氏は、「今回のデモンストレーションは、電力ビーム技術の限界に関する誤解を打ち破ったものである」と語っています。

この技術が今後、軍事的な枠組みを超えて、災害時の緊急電源供給や遠隔地へのインフラ整備、さらには無人航空機(UAV)や地上センサーへの給電など、さまざまな民間分野にも応用されていくことが期待されます。

たとえば、地震で孤立した山間部に対してドローン経由で医療用発電機を稼働させるといった利用も想定されます。

人類が長らく電線に縛られてきた歴史を終わらせる可能性を秘めた、DARPAのレーザー電力伝送技術。

この先にあるのは、コードの絡まない、自由で柔軟なエネルギー社会かもしれません。

そして願わくば、この技術が戦争ではなく、平和で便利な世界のために使われて欲しいものです。

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【8.6km先でポップコーンを作る】DARPAがワイヤレス電力伝送の新記録を樹立 (2/2)のコメント

ゲスト

そうはいかないのが現実ですがね。
初めてロケット開発した中世の技術者然り、ノーベル然り、皆そう願ってきましたけど、結局人殺すために使われてるという実績がありますから。

ゲスト

普通自爆ドローンをもっと小型にしたりするのに使うでしょ

ゲスト

敵の送電中の光線を邪魔して兵站破壊したり、光線を「鹵獲」して電力に利用したりしそう。

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